八戸 と 令和

青森での仕事が終わると、絶対に八戸へ寄ろうと思っていた。「ねこカフェ猫八」にいる黒猫の<ヤマト君>に会うためであった。
 ヤマト君は三沢の自衛隊基地の門前に捨てられていた猫なので、子猫の時はとても人見知りをする猫であったようだ。しかし、2年前に行った時、ヤマト君は私の脛を引っ搔き、軽いジャブを見舞ったものの、その後は私になついてくれた。
 オーナーさんも私のことを覚えていてくださった。だが、店の切り盛りでてんてこ舞い。私が店を出たのを知ると、駅まで追いかけてきて、一枚のポストカードをくださった。
 そのポストカードは、「八戸」の漢字2文字をもじって、「令」にしていた。説明を受けると、だんだん「八戸」に見えてきたから、あら不思議。「八」を頭に置き、その下にデフォルメした「戸」を納めれば、なるほど「令」になる。
 「令和」の「和」は、「口」の中に猫の絵が描かれており、「猫ファンのお客さま、お待ちしております」という顔つきをしている。
 とにもかくにもお客様がいっぱいであった。令和時代を迎えた八戸の猫八は、福猫たちのおかげで商売繁盛なり。