十風五雨豊穣

 昨日、お茶の稽古に参加した。床の間に掛かっていた軸には、「十風五雨豊穣」と篆書されていた。茶道講師がお書きになったものである。
 「十風五雨」の意味を調べると、「世の中が平穏無事であるたとえ。十日ごとに風が吹き、五日ごとに雨が降る。濃厚に適した天候のこと」と書いてあった。
 「豊穣」という言葉はタイ語で「อุดมสมบูรณ์ ウドム・ソムブーン」と言う。この言葉はスコータイ時代の昔からタイ人の精神構造を築くものであるが、いつ聞いても安堵感が彷彿とする。食べることに心配が無く、ゆったりとした気分で暮らせるような気がするからである。
 かつては、タイ人男性の名前に、「ウドム君」や「ソムブーン君」が多く見られたが、最近は減って来たような気がする。日本で「豊 ゆたか」という名前が減って来たと同じく….。 いずれにせよ、五穀豊穣は嬉しい。天災(ภัยพิบัติ)は嫌だ。