漆器の話

 『漆 うるわしのアジア』(大西長利著 NECクリエイティブ 1995年)は、第1章 漆文化の源流をもとめて、第2章 漆を育んだ大河・長江、第3章 漆・うるわしアジア探訪、第4章 日本の漆文化、第5章 漆との対話、から構成されている。私は第3章の中に書かれているタイの漆から読み始めた。
 著者の大西氏は、ミャンマーとタイの漆器が製造過程に於いて、歴史的にはほぼ同一であることを言及しながらも、タイは観光客目当ての製品を乱造している傾向にあるため、ミャンマーのほうに軍配を上げている。伝統技法を丁寧に残すには、製品の価格をある程度、高めにとどめておかないといけないとも指摘している。
 タイの漆器(เครื่องเขิน)のレベルを上げて、美しい製品を末代まで残すことは急務だ。参考までに、「漆」は、タイ語で、「รัก ラック」という。「รัก 愛する」と同音異義語である。