沈丁花の香り

 沈丁花の香りがただよってからもうすでにかなりの時間が経っている。しかし、三寒四温の日々が続いているので、沈丁花は枯れることなく、白い花弁(กลีบสีขาว)をしっかりと広げ、道行く人々に優しく呼びかける。
 沈丁花が咲き始めると、シンガポールで頑張っておられる元生徒のYさんに「沈丁花が咲き始めましたよ」と、毎年、私は報告することにしている。彼女はここ数年、日本に帰国しておられないので、沈丁花が大好きな彼女に、昨日はラインで写真を送ってあげた。
 海外生活が長くなると、季節を感じさせてくれる日本の花々とおわかれだ。香りを届けることができないのが残念ではあるが、それでも情報を送らないよりはましだと思い、日本の四季(สี่ฤดู)を伝え続けている。