哀悼のタイ王国(2)

 19日午前4時50分、スワンナプーム空港に着いた。飛行機を降りてから入国審査所までゆっくりと歩いた。何故ならば、迎えに来る方には6時に来てくださいと言っていたからである。入国審査のすぐ近くまで来ると、「タイ人? タイ人はあっちだよ」と言われた。
 バンコクに初めて行った1972年、当時のドンムアン空港には入国審査のブースは、タイ人用が一つ、そして、外国人用が一つしかなかった。その時も、タイ人用に並びなさいと言われたのを思い出した。
 それ以来44年間、いつ来てもプミポン国王はタイにおわしました。だが、今回は…..。
 税関を通って外に出た。空気が重苦しい。高級ホテルから迎えに来ている人達の表情もかたい。私は一時間近く、ベンチに座ってタイ人達を観察した。ベンチの一番端のところで、靴を脱ぎ、壁に向かって足を組んで、顔を下に向けている女性がいた。彼女は白いTシャツを着ていた。背中には黒色で「0」という数字が書かれていた。「0」とは何を意味するのか?