新しい生徒さん

 先週の土曜日、新しい生徒さんが入会された。独学3ヶ月という方であるが、補充クラスの「タイ語入門 土曜日10:30」に入られても、全く問題がなかった。学習意欲が十分に感じられ、教える側としてはとても教えやすかった。
 タイ語は声調言語であるので、最初のうちは先生について学んだほうがいい。自己流の声調になってしまうと軌道修正が効かなくなるからである。初心者は無心になって、ただひたすら勉強するのが一番だ。
 そのほかに、今月は、かつての生徒さん2名から復帰を希望される旨のメールを頂いている。学習する環境が整ったらしい。
 一度、タイ語を勉強すると、途中でやめても、心はいまだタイに残っている。タイは逃げて行かない。いついつまでも、悠々としている。タイは私達日本人を癒してくれる。倦まず弛まず、勉強を続けよう。

ジューン・ブライド

 昨日の午後、目白駅前の商業施設で買物をしようと思って2階(ชั้น2)に上がって行くと、式場に入ろうとしている新郎新婦(เจ้าบ่าวเจ้าสาว)に会った。
 「わあ、ジューン・ブライドだあ!」 私は思わず心の中で叫んだ。
 彼らは広々とした喫茶店の一角まで進み、友人達から祝福を受けている。おそらく、二次会の披露宴なのであろう。
 ストレスがたまっている最近の私にとって、純白のドレスを見て、心なごむ思いがした。白いものを見るのはさわやかだ。色がついていないということ、それはすべての始まりである。若いカップルの前途を私も祝福した。
 

ゆかた と 兵児帯

 昨日、友人に案内されて、谷中の着物リサイクル店へ行った。生徒さんから頂いた着物に合う帯が有ればいいなあと期待していたところ、店主の適格な助言により、白地に弥次郎兵衛の模様が入った帯を購入。白地だから、何色の着物にも使いまわしができる。
 ついでに、ゆかたを買った。蘭の花びらが飛び交っているような模様だ。よくある模様は朝顔だが、蘭とくれば、タイに近い。 次に、ゆかたに合う帯探しが始まった。在庫の帯の中からみつからず、結局、男性用の兵児帯を買うことになった。黒色に近い無地なので、意外と引き締まりを感じさせた。
 店主は言った。「冬はストールとしてもお使いになれますよ」
 それを聞いて、一石二鳥で物を有効利用するということは、物にも出番が有って、なかなかにいいなあと思った。

なめくじ

 今朝、お茶を淹れようと思ったが、引き出しの中に以前から残っていたティー・バッグを思い出したので、早いところ、それを飲んでしまうことにした。
 そのティー・バッグは伊藤園のもので、新俳句大賞 名作シリーズが印刷されていた。
   なめくじは 走っているの かも知れず
 この句を詠んだのは、てっきり少年か少女にちがいないと私は思った。しかし、「第17回 一般の部B(40歳以上)大賞 近藤和子」と、書いてあった。40歳以上の方が、このような観察をなさるとは、実に優しい感性をお持ちだこと。
 ひるがえって、よくよく考えてみると、たしかになめくじは必死に移動しているのかもしれない。だが、それを見せないまま、いつのまにか移動している。静なる中の動。人生にも喩えられそうだ。

トン先生からパック先生へ

 去年の手帳を開き、昨年の今頃は何をしていたのかをチェックしてみた。すると、「6月15日 トン先生 最終日」と書いてあった。約1年、泰日文化倶楽部で教えてくださったトン先生(男性)は、6月末までビザが有ったが、最後の2週間は日本の中を旅行したいということで、早めに解放してあげた。現在は、バンコクに在る超一流の外資系会社に復帰し、社会人として頑張っておられる。
 あれから1年が経った。この1年間、8人のタイ人講師が教えてきたが、すべて女性だ。そこへパック君という優秀な青年が出現した。久々に男性講師の登場! 
 生徒の皆さん、大いに張り切ってタイ語を勉強してください。チャンスが有れば、パック先生に会えますよ。

飛び切り若い新人講師

 かねてより、ミカン先生から、「後輩がタイ語を教えたいと言っております」と聞かされていた。そこで、昨晩、面接を兼ねて、教室まで来ていただいた。そして、ミカン先生の授業の仕方を見てもらった。
 彼は20歳。若すぎる。人生経験が少ない。泰日文化倶楽部の生徒達の平均年齢は約50歳だから、講師として果たして適切かどうか迷うところである。
 ところが、彼を一目見るなり、私の腹は決まった。「教えに来ていただこう!」
 医者を目指している医大生。日本には17歳で来たそうだ。優秀すぎて飛び級。頭がいいのはもちろんだが、何よりも品がいい。教室ではタイ語で授業をしてもらいたいが、彼の日本語能力たるや抜群。ラインで交わした日本語の文章は、今どきの日本の若者が書けない立派な文章であった。
 「タイ語中級 火曜日19:00」の生徒達は彼を見て興奮した。そういう私も興奮した。

大きい穴・小さい穴

行きつけの美容院でセールの時、シャンプーとリンスをまとめ買いすることにしているが、最近、使い始めたシャンプーのふたの穴が小さすぎて、思うように出ない。そこで、もう一つのシャンプーを使ってみると、今度は、穴が大きすぎて、シャンプーが出すぎる。どうしてまたこんなものが舞い込んできたのであろうか。そういえば、コンビニで買ったボディー・ソープも穴が小さすぎた。そこで、以前に使っていた容器に移し替えて、どうにか落ち着いた。
 今から20年位前、私は東京を早朝に立って、栃木県の工場まで通訳に行っていたことがある。そこは、金型を作る工場で、タイ人研修生が数人、来ていた。日本で一番有名な化粧品会社の製品を容れるための容器の金型を造る工場であった。穴が大きすぎても、小さすぎても、ユーザーから苦情が出てくるので、ふたの穴の大きさは一定でなければならない。ところが、どうしてもいびつなものが出来上がってしまうとのこと。穴ひとつにも、日本人の技術が注ぎ込まれていることをその工場で知った。

月曜日は雨多し

 「タイ語初級 月曜日18:00」のクラスの生徒達がいつもぼやく。「月曜日は何故か雨ばっかり」
 そう言われてみれば、確かに雨の日が多い。勤めに出る人達にとって、週の初めの天候が悪いのは働く意欲をそがれる。しかし、今月は特に雨を歓迎しよう。稲がすくすくと育つために…..。
 昨日の茶道教室のテーマは、「雨」。弟子の一人が持ち込んだお茶碗の模様は、番傘と時雨。そして、香合が置かれる場所にも、番傘の飾りが置かれてあった。
 茶道講師が教えてくださった。「お茶の世界では、二つ重ねはよくありません。三つ重ねが要求されます。したがって、今日のお棗の模様を雨粒と見立て、三点重ねといたしましょう」
 棗の模様は、蛍にも見えた。星にも見えた。しかし、臨機応変で、雨粒と見立てたところに、面白い遊びの世界を感じた。

燕子花(かきつばた)

 昨日、「第106回アジア女性のための生け花教室」を開催した。いつも来ている台湾からの女子留学生が、昨日はお休みであった。聞くところによると、論文提出で大変な時期を迎えているとのこと。学位を得た後、秋には台湾に帰ってしまうらしい。
 6月は、燕子花(かきつばた)を生けた。葉組みが面倒な花である。昔の方はどうしてこんなややこしいことを考えたのであろうかと、毎年思うのであるが、生け上がってみると、なるほど、統制が取れて、実に凛としている。
 華道講師の助言としては、「風の通りをつくりなさい」。その通りにすると、まるで光琳の世界が誕生した。
 昨日、教室が入っているビルの入り口の天井近くを見ると、ツバメの巣に、飛び立ったはずのツバメがまたしても来ている。顔の引き締まり具合から見ると、母鳥みたいだ。居心地がいいので、もう一回、卵を産んで子育てをするつもりらしい。
 燕子花は、花びらがツバメ(燕)に似ているので、漢字で「燕子花」と書くそうだ。昨日は、燕づくしで、楽しかった。

20年ぶりの再会

 今回の旅行は佐渡の薪能を鑑賞することが第一の目的であった。だが、私にとっては、新潟在住の元教え子に会うのも同等の楽しみであり、東京を出るときから、ものすごく期待していた。
 佐渡汽船の新潟港に迎えに来てくださっていた元生徒はすぐにわかった。第一印象は、ものすごくおだやかな顔をしておられたことだ。東京でのタイ語研修がいかにきつかったか、ふと、思わず比較してしまった。
 新潟市内を車で案内中、彼はこう言った。
 「先生に教えていただいている時、先生は丁度50歳でした。今、私は50歳。先生のあの時の年齢に達しました」
 彼とは20年ぶりの再会であった。20年という歳月は、あっというまに過ぎ去ってしまった。