譲り受け

 茶道教室へ行くと、皆さん、季節(ฤดู)を感じさせる素敵な着物を着ておられる。帯の絵柄に蝶(ผีเสื้อ)があしらわれていると、本当に蝶が飛んでいるようだ。日本の伝統物は季節が大事であり、色合いも季節と共に選ばれる。二十四節季に合わせて着物や帯を選ぶとすれば、いくら有っても足りない。
 私の大学時代の先生は91歳。老人ホームの介護病棟に移った去年、ほとんどの荷物を処分されたそうだ。高価な着物も…..。私がお茶を始めたことを話すと、「残念。遅かったわ。あなたに差し上げたかったわ」とおっしゃられた。
 この話を昨日、「タイ語中級 水曜日15:00」のクラスで学んでおられる女性で、泰日文化倶楽部きっての最高齢者の生徒さんに話したところ、「あら、私もずいぶん処分しましたわ。でも、まだ残っていますから、差し上げましょうか?」と言われたので、私はすかさず応じた。「いえいえ買わせてください」
 高価な着物を買ったところで、私もいずれは着なくなる。となると、箪笥の中に眠っている着物を活用するほうがいい。人生の先輩から着物を譲り受けること、それは新しい着物とは違う味があることであろう。