旧友からの電話

 勧誘電話が多いので、自宅の電話を取るのはやめにしたいのだが、やはり、ついつい取ってしまう。理由は親戚からの緊急かもしれないと思ってしまうからだ。
 昨日もそうであった。最初、無愛想に応対すると、なんと25年も会っていない旧友からのものであった。年賀状はずっと交わしているので、それでいいかなあと思っていた。
 彼女が花づくりに精を出しているのは年賀状からよく伝わって来ているが、「御主人は?」と尋ねると、「仕事はもうしていません。今、竹を切り出しに行ってます。花の周りに竹囲いを作ってくれるのよ」、と、彼女は答えた。
 そして、彼女は本題に入った。
 「昔からの友達が、このところ、急に会いましょう、ねえ、会いましょうよ、と言ってコンタクトしてきてるの。もう、そんな年齢になったのね。だから、私もあなたに会いたくなったわけよ」
 私は答えた。「それじゃあ、会いたがっている友人達を優先して会ってくださいな。私は現役ばりばりで働いているので、スケジュールがいっぱい」
 なんだか冷たそうな返事ではあるが、私は予定が未定という状態で、毎日をこなしている。旧友にも会いたいが、仕事人間の私は社会の中に飛び込んで行くほうが好きだ。