海外駐在と親

 昨日、古本屋でいると、電話が鳴った。元生徒のK氏からであった。
 「あら、今、日本に帰っているの? それとも、バンコクから?」と、私。
 「母が亡くなりました。成田に着いたばかりです」と、彼。
 タイ駐在を希望していたK氏は、その希望がようやく叶い、今年4月にバンコクに赴任したばかりである。それなのに、お母様の急逝により、ご家族であわただしく一時帰国せざるを得なかった。
 K氏のお母様とは彼の結婚式の時に一度だけお会いしたことがある。K氏のご両親は会津若松に住んでおられ、福島の果物をいつも送ってくださっていた。しかし、東日本大震災以来、それがストップした。
 したがって、電話で話すこともここしばらく途絶えていたが、訃報に接し、お気の毒でたまらない。私よりも3歳もお若いのに….。
 K氏に聞くと、ご両親はまだタイへ遊びに行かれておられなかったそうだ。一人息子である彼の活躍をバンコクで見てほしかったなあと思うと残念至極である。