鶴見俊輔氏の訃報

 夜中3時頃、いつも目を覚ます。スマホで「今日のニュース」をチェックすると、哲学者の鶴見俊輔氏の訃報が目に飛び込んできた。93歳だから、天寿を全うされたことに違いはないが、ああ、残念。
 鶴見氏の著作は実に読みやすく、かつ、面白い。読んでいると、さらなる興味を覚え、世界が広がる。彼自身の出自、体験、経験、及び、交友の幅が、並みの人間とは桁外れているからであろう。だが、彼は市井の人に向ける眼も優しい。毎日の出来事が、そして、すべての人々が彼の視界の中におさまる。『隣人記』(鶴見俊輔 晶文社 1998年)の中に彼はこう書いている。
 「私は今七十歳をこえて自分の教養をふりかえると、生徒として学校にいた時間は十一年半にすぎず、教室よりも座談が、私にとっての教育の時間だった」
 『鶴見俊輔座談/全10巻』(晶文社)のちらしを引用すると、「思想は対話に始まる。会って話した50年、200人。これは、まれにみる人物事典であり、比類ない哲学事典であり、心の手引きである。二十一世紀を生きる思想の種子がここにある」
 夏休みに読もう!