繙く(ひもとく)

 読書をしていると、『万葉集』を繙く、という表現が出てきた。私は翻訳の仕事もしているので、翻訳の「翻」という漢字に興味があるが、「繙く」という漢字もなかなかに面白い。
 「繙く」は、もともとは「紐解く」と書いていたそうだ。何故ならば、昔の書物は巻物になっており、紐をほどくことが、即ち、本を読むという意味になっているからとのこと。
 日本列島、黄金週間に突入している。どこかへお出かけの方は大いに旅を楽しんでもらいたい。
 東京に居残り組は、果てさて何をしようか? 新宿中央公園で焼肉大会が行われているから、出かけて行ってみてはと言われた。それはそれでいいが、やはり書物を繙くことが心おだやかに過ごせて、思考力を鍛えることになる。