或る中国語講師

 一昨日、教室の近くにある喫茶店の窓際で新聞を読んでいた。その喫茶店は手塚治虫が愛した店である。何故ならば、かつてそのビルの上に彼の会社と仕事場が在ったから。
 ガラス窓越しに、道路の反対側にあるビルの看板が目にとまった。「孔婉麗中国語学院」という看板だ。この学校には約15年位前に見学に行ったことがある。
 学院の名前に校長先生のお名前が冠せられていること、そして、NHKの中国語テキストの広告にも堂々と出ていたことからも、すばらしい学院であることは承知していた。
 昨日、その孔婉麗先生はお元気かしらと思い、ネットで調べてみると、2004年3月27日に80歳でお亡くなりになられたことがわかった。昨日は3月27日。奇しくも先生のご命日であった。
 一度もお会いしたことはないが、他者の追随を許さぬ熱意を持って中国語のご指導にあたられたという孔婉麗先生に、私は敬意を表していた。
 先生のモットーは、「十年樹木 百年樹人」。その意味は、「木は十年で大木になるが、人間教育は百年たって初めて効果が出る」とのことである。