「諸般の事情により」という表現

 健康維持のために、一日に30種類のものを口に入れることを心がけている。その手っ取り早い方法とは、ビュッフェ・スタイルの店へ行き、少しずつおかずを皿にのせることである。この年になると量は関係ない。食べ過ぎると医者に注意されるのがわかっているからだ。
 月に1回の割合で、教室の近くにあるスポーツ・センター内のレストランに行っている。和食が中心のメニューはうれしい。
 ところがである。玄関ドアに貼り紙がしてあり、「諸般の事情により3月末をもって閉業します」と書いてあった。街を散策していると、この間まで有ったとおぼしき店舗がいつのまにか閉店している。商売は厳しい。
 それにしても、「諸般の事情により」という表現は、どことなく淋しい。似たような表現に、「一身上の都合により」というのもある。具体的表現を避け、婉曲に言おうとする日本人の特質をよく表わしてはいるものの、理解しがたい不快さが残る。