老いらくの恋

 大学の講義が終了したので、今は泰日文化倶楽部に全力を注いでいる。具体的に言うと、タイ人講師達の授業の補佐をしながら、生徒達の上達ぶりを見ている。
 その中で気がついたことは、ネイティブに習っても、タイ語の発音が一向に上手になってはいないことだ。いくら矯正しても直らない。
 すると、還暦近い男性がこう言った。「老いらくの恋をしなければなりませんなあ」
 その通り。恋をすればすべてに艶が出る。発音もしかり。
 老いらくの恋をタイ語では何と言うのかと、その生徒が知りたがったので、タイ人講師に通訳しながら尋ねた。
 答えは、「กินหญ้าอ่อน 若草を食べる」というそうだ。若草(หญ่าอ่อน)は、若い娘のことである。年増の女性はダメか….。