「ちょっと….」という日本語

 今年に入って、タイ人に2回、日本語を教えた。日本語を教えることはとても楽しい。だから、私は生徒達に向かって、普通のスピードでどんどん話しかける。
 日本語で、「いいです」と言うと、それには、情況次第で、そして、発音の仕方次第で、「良い」と、「要らない」の両方に解釈できる。「結構です」も然り。「すばらしい」と、「不要です」の両方の意味を有する。日本人であれば、そのような混乱は起きないが、日本語を勉強し始めたばかりの外国人には、まだまだわからないことが多いらしい。
 昨日、「ちょっと」という単語がテキストに出てきた。使われている場面は、「ここの席、空いてますか?」という質問に対して、「あのー、ちょっと…..」という返事であった。
 生徒は、実際にそう言われたことがあるらしく、私に訊いてきた。
 「ちょっとという単語は、ちょっと待ってください、ということだと思っていました。ですから、私はそこでずっと立って待っていました」
 私は笑いながら、答えた。「あのー、ちょっと…..と言うのは、この席には家族とか、友達が座る予定だけど、トイレ等へ行っているから、今はここにはいない、そのうち戻って来る、という意味合いが含まれていますよ」