ラーメンケーキ と S子さん

一昨日、「タイ語入門 月曜日19:30」のクラスに、S子さんがケーキの箱をたずさえて来られた。そして、トン講師に向かって、こう言った。
 「先生、少し遅くなりましたが、お誕生日、おめでとうございます。はい、これ、ラーメンです!」
 しかし、何故、彼女がラーメンというのか、どうしても解せなかった。ケーキ箱の中にインスタントのラーメンを詰めて来ているのかと思った。だが、中を見ると、本当にラーメンであった。
 「あら、本当にラーメンだわ!」、思わず叫ぶ私。
 S子さんが説明してくださった。「ラーメンに見立てたケーキですよ」
 私はラーメンケーキを考案した菓子職人のすばらしいアイディアに感嘆した。そして、S子さんの優しさにも打たれた。彼女は私にも何かにつけて心づかいをしてくださるのでいつも深謝しているが、タイ人講師にも優しい姿を見て、とてもすばらしい生徒さんだと感心している。

会話が上手になる方法のひとつ

 新聞を読もうと思って、行きつけの喫茶店に行った。中央の大きなテーブルに座った。すると、すぐ近くに老人と若い女性が会話をしていた。新聞を読むよりも、二人の会話を聞くほうが面白くなったので、ずっと聞いてみることにした。
 女性は中国人であった。日本語がうまい。口が重い老人の口を、彼女の話術でどんどん開かせていく。
 「来週、郷里で同窓会があるんだ」
 「郷里はどこ? 私、車で連れて行ってあげるよ」
 「宮城だ。福島の先だ」
 「秋田よりもむこう? 連れて行ってあげる」
 老人の淋しさをくすぐるのが実にうまい。明日も会う約束をしていた。
 老人はひまだから、老人をさがして老人とおしゃべりすれば、日本語がどんどん上手になる。
 彼女は髑髏の絵がたくさん入った服を着ていた。バッグの模様も髑髏。それを見て、空おそろしくなった。