会話が上手になる方法のひとつ

 新聞を読もうと思って、行きつけの喫茶店に行った。中央の大きなテーブルに座った。すると、すぐ近くに老人と若い女性が会話をしていた。新聞を読むよりも、二人の会話を聞くほうが面白くなったので、ずっと聞いてみることにした。
 女性は中国人であった。日本語がうまい。口が重い老人の口を、彼女の話術でどんどん開かせていく。
 「来週、郷里で同窓会があるんだ」
 「郷里はどこ? 私、車で連れて行ってあげるよ」
 「宮城だ。福島の先だ」
 「秋田よりもむこう? 連れて行ってあげる」
 老人の淋しさをくすぐるのが実にうまい。明日も会う約束をしていた。
 老人はひまだから、老人をさがして老人とおしゃべりすれば、日本語がどんどん上手になる。
 彼女は髑髏の絵がたくさん入った服を着ていた。バッグの模様も髑髏。それを見て、空おそろしくなった。

オーストラリア女子留学生の感想

 今年はオーストラリアから来た女子学生がタイ語を習っている。彼女に尋ねてみた。
「あなたの眼に東京はどのように映っていますか?」
彼女は短く答えた。
「忙しいところです」
 それを聞いて、タイ語に訳すとするならば、どう言えばいいのかと考えてみた。単純に「東京はとても忙しい โตเกียวยุ่งมาก」と訳したところで、そんなに忙しくしていないタイ人には通じないであろう。
 今日から12月。師走だ。何が忙しいのかわからないまま、時間が過ぎている。特に東京は….。ああ、忙しい都市だ。
 2015年まであと31日。自省の時間を確保したい。