大分旅行(9)

 臼杵の町の仲で、南蛮歴史史料を展示した「サーラ・デ・うすき」の中庭にはイスラム系のタイルで造形したオブジェが有った。そして、別棟にバーのようなお店が目にとまった。ランチも食べられることがわかったので、思いきって入ってみた。客人は私ひとり。せっかく臼杵に来たのだから、郷土料理の「黄飯(おうはん)」を食べてみることにした。
 黄飯の作り方はクチナシの実汁で米を黄色く炊き上げるそうだが、お膳にのって供せられた時、私はすかさずパエリアの黄色い御飯を思いうかべた。ポルトガルやスペインの影響! そして、その黄飯の上にのせる具のことを「かやく」というのを知ると、キリシタン大名大友宗麟が買い込んだ大砲と結びつき、ますます興味を覚えた。
 ネットで調べると、黄飯の由来には諸説があるとのこと。赤飯が食べられなかった庶民達のために、祝い事に黄飯が考案されたとも書いていたが、私としては、絶対に南蛮の影響のほうを採用したい。