玄妙なる表現

 昨日は一歩も外に出ず、『利休に尋ねよ』(山本兼一著・PHP文芸文庫 2010年」を読む。第140回直木賞受賞作の長編歴史小説だ。昔、少しだけ茶道を習ったことがあるので、玄妙なる表現がちりばめられているこの小説に魅せられた。
 ~ 釜の湯が大涛を鼓って沸くように
 ~ 松籟を聞くがごとき釜の湯音の縹渺
 ~ 黒楽茶碗の肌の幽玄
 ~ 一服の茶に静謐にして力強い美
 ~ 天地星辰の悠久
 ~ 点前の座に凛とした気韻
 「曇りなき満月を愛でるより、雲がかかった閑寂な月をいつくしむのが侘び茶である」…と書かれてあった。