神学生の祈り

タイ語を習っている学生の中に神学生がいる。彼は朝5時半に起きてお祈りをし、それからミサに出るそうだ。
 「来年は3年生ですか?」と私が問いかけると、彼は答えた。「いいえ、休学します」
 私は彼が留学するのだと思った。しかし、違った。休学して、外界との関係を絶ち、ひたすら祈りの時間の中に自分を置くとのこと。
 それを聞いて、私はそれ以上の質問をやめた。そして、我が身を恥じた。
 社会に出て45年半、ひたすら働き続けてきた。満員電車に乗って、鞄の持ち手を壊しながらも、電車に乗った…..。
 彼のように、20歳で1年間、俗界と離れ、祈ることをしなかった。40歳も、60歳も休みなく働いた。
 祈る時間と空間、それらは大切だ。そう思う。