ピンクの口紅

 還暦を過ぎてから早くも8年。タイ人講師からピンクの口紅をプレゼントされた。1本の口紅を買えば3年近く持つから、まだまだ今のものでいけるのだが、新しいものを化粧ポーチに入れると気分が変わる。早速、今日からピンクにしよう。
 目下、『福縁伝授』(福原義春著 集英社 2011年)を読んでいる。元資生堂社長で、現在は名誉会長をしておられる著者の文章は内容が濃くて、実にお洒落である。銀座のこと、そして、資生堂の来歴がよくわかって面白い。
 「私の祖父に当たる資生堂創業者・福原有信は、もともと幕府の医学所、明治維新後に大学東校で薬学を学び、海軍病院の薬局長を務めていたが、粗悪な薬品が市場を席巻していることを憂い、民間で自由に商売しながら質の良い薬品を市民に提供したいと考えて独立した。軍閥や薩長の派閥争いに嫌気が差したこともあっただろうと思うが、ともあれ開明主義者で在野精神の持ち主であったことは間違いない」
 日々、仕事に追われているだけの生活では思考が止まったままだ。<開明>、そして、<在野>。これらの言葉がとても新鮮に思われる。