敦賀探訪(1)

福井市へ行く前に、どうしても敦賀というところで一泊したかった。敦賀港の歴史を知りたかったからである。
 名古屋から「しらさぎ号」に乗り、敦賀に向かう途中、敦賀気比高校が甲子園での試合で大量得点でリードしていたので、おそらく敦賀市民達はテレビの前で釘づけになっていることと思い、敦賀駅に降り立った。案の定、街は静まりかえっていた。
 ホテルにチェックインした後、「人道の港 敦賀ムゼウム」までタクシーで行った。流しのタクシーは無いということなので、ホテルのフロントから電話をかけてタクシーを呼んでもらった。
迎えに来た運転手さんは女性であった。車中で「女性の運転手さんは多いですか?」と尋ねると、「福井県は夫婦共稼ぎNo.1の県ですよ!」と、とても元気な声が返ってきた。
 敦賀気比高校が4強に入ったので「おめでとうございます」と言うと、彼女は言った。「地元の選手は誰もいません。大阪の方から来た選手が多いから、今ひとつ、敦賀市民は盛り上がっていないんですよ」
 昼下がりの市内は不気味なくらい静まりかえっていた。敦賀原発の停止も影響していることは否めない。原発関連会社の専用駐車場には車が放置され、ゲートは施錠されていた。