喋る仕事 喋らない仕事

最近、会計の仕事をしている女性達に会う機会が偶然にも3度も有った。「会計の仕事は一生、続けますか?」と同じ質問を投げかけたところ、いずれも皆、否定した。理由を聞くと、数字との格闘はいやだそうだ。
 一人の女性はこう答えた。「1円でも違うとだめですからね。数字とのにらめっこで、対話というものがありません」
 それを聞いて、声を出す仕事はいいなあと思った。特に、語学教師は90分、喋りっぱなしである。そういう意味では、全く退屈しない。2時間でも3時間でも、いや10時間でも喋り通す自信がある。
 しかしながら、対面販売の方達が接客する中でストレスがたまるが如く、教師というものも、結構、ストレスを感じる職業だ。その日のストレスを翌日まで引きずらないようにしないといけない。休日などは、何もない部屋で誰とも喋らない時間を持ちたいと願う。
 喋らない仕事もいつか飽きがくるであろうが、喋る仕事も、それが度を過ぎると人間性が安っぽくなる。中庸で行くに越したことはない。