割烹で働くネパール女性

 シンガポール在住のY子さんが久々に東京に遊びにみえたので、日本料理を味わっていただこうと思い、近所の割烹にご案内した。その割烹にはずっと長くネパールの女性が働いている。私は彼女と「ナマステ!」というだけの間柄であるが、Y子さんがシンガポールから来たことを言うと、急に英語をしゃべり始めた。彼女の英語はとてもきれいな発音であった。
 私が「ご主人は日本人ですか?」と尋ねると、「ネパール人です。東京駅の近くのインド・ネパール料理店で働いております。子供が2人います。15歳の娘と13歳の息子です。カトマンズーにある学校の寄宿舎に入れております」と、彼女はたくさん喋った。
 「それじゃあ、将来が楽しみですね」と言うと、彼女の目が輝いた。
 夫婦二人で一生懸命、働いている。子供たちはしっかり勉強している。私はまたしても付け加えた。
 「いずれ、ネパールに帰られることでしょうが、もしかして、日本料理店を開くんじゃないの?」
 彼女は、「いいえ」と、謙虚に答えた。