太陽君 と 高田馬場

太陽君がホームステイのために東京にやって来てから早くも2週間が過ぎた。今日から泰日文化倶楽部の近くにある日本語学校でグループ・レッスンを受講する。プライベート・レッスンは生徒のボランティアのおかげでうまく進んでいるが、友達と話したいという理由で、グループ・レッスンにも参加することになった。
太陽君が面白いことを言った。「高田馬場は、歩けば歩くほど、まるでバンコクみたいだ。パッポンの雰囲気があります」
彼は日本が大好きなので、去年から来日している。タイを離れた理由は、「タイ、暑いです。僕は日本の気候が大好き。タイ、きらい」ということらしいが、要するに、タイの生活に飽きていた気配が濃厚だ。手短かに言えば、青年期の悩み、そして、両親の厳しい目から逃れるために幼い時から慣れ親しんでいた日本にやってきた。
ところが、泰日文化倶楽部がある高田馬場はどうみてもバンコクの匂いがするという。毎日のようにそう言われると、私も否定できなくなった。最近、高田馬場はアジア系の人達がものすごく増加した。歩いていると、中国語や韓国語、そして、ミャンマー語がよく聞こえてくるが、その次に耳にするのはタイ語である。