タイ人 と スリッパ

タイ人の家庭では室内でスリッパをはく習慣がほとんどない。したがって、泰日文化倶楽部にタイ語を教えに来ている講師達もスリッパには慣れていないようだ。
教室に入って来た時は履くが、授業中、机の下では脱いでしまっている。そして、そのスリッパがどこかに飛んでしまい、それを忘れたまま、帰る場合が多い。
最近、やって来た太陽君から、次のよいな質問を受けた。「トイレの中で、どうしてスリッパをはかなければならないの?」
私は手短に、こう答えた。「おしっこがかかると汚いからよ」
タイ人に日本人が有する清潔感を教えるのはむずかしい。清浄な場所と不浄な場所を分けることを説明するのも面倒だ。トイレ用の絵がついたスリッパを置いていても、彼らは室内用のスリッパといっしょくたにしてしまう。
さらにいくら注意してもなおらないのはスリッパの脱ぎ方である。次にトイレに入る人のことを考えて、きちんとそろえて脱ぐということが、なかなか徹底しない。習慣が無い人達に日本人の習慣を教えるのはむずかしい。